トレンドの定義
トレンド分析の歴史は古く、現代までその手法が継承され、改善や新たな解釈によって発展してきた。殊にダウ理論が有名である。ダウ理論は、1884年にチャールズ・ダウが考案した株価平均の理論に基づいている。ダウ理論の詳細は理論・思考を参照。
ダウ理論では、トレンドの定義と分類がなされている。
-----(Six basic tenets of
Dow Theory
)
チャート理論を研究する上で、トレンドの概念を正しく理解しておく必要がある。トレンドとは、一般に市場において価格が向かう方向性を意味する。しかし、価格推移の習性として一方向に直線的に移動するわけではなく、上下どちらに向かうにしても必ず山や谷を形成しながら連続した波形を描いて上昇や下降を続ける。トレンドの定義は、波が連続しながら向かう方向であり、方向と期間により以下の通り分類される。
トレンドの方向性の種類は上昇トレンド、下降トレンド、横這いトレンドの3つである。
- 上昇トレンド
高値と安値を切り上げながら上昇が続いている状態
- 下降トレンド
安値と高値を切り下げながら下降が続いている状態
- 横這いトレンド 高値と安値を切り上げず、切り下げもせずに水平方向に推移
|
トレンドの期間による分類は主要トレンド、中期トレンド、短期トレンドの3つである。
- 主要トレンド(優先変動) 一番重要なトレンドで通常1年から数年間
- 中期トレンド(二次変動)主要トレンドの調整局面と考えられていて、10日から3ヶ月間
- 短期トレンド(劣後変動) 二次トレンドの調整局面と考えられていて3週間未満
|
トレンドの終了は別のトレンドの発生により証明される
Six basic tenets of
Dow Theory
トレンドの転換は明らかな兆候があり、次のトレンドが確認されない限りは現在のトレンドが継続する。
実践では、この「トレンドの終了」を確認することが重要である。
「充分安くなった」・「充分高くなった」などと、あいまいな判断でオーダーを入れると底値売り・天井買いなどの失敗につながることになる。
次のトレンドが発生してからポジションをとる方がリスクを軽減する観点からは正しいスタイルと言える。