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理論・思考

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ダウ理論(Dow Theory) 
 Charles H. Dow(1851–1902)の没後、William P. Hamilton, Robert Rhea  E. George Schaeferら、ダウの後継者が発展させた。「ウォール・ストリート・ジャーナル」に書いた論説を基にまとめ上げたものが「ダウ理論」と言われる。 


ダウ理論(Dow Theory) 6つの基本綱領  (英文参照

 1.市場には三つの変動がある。
@主要トレンド(優先変動)
一年から数年に渡る。強気・弱気相場という表現は主要変動についてのみ使うべきとしている。
A中期トレンド(二次変動)
10日から3ヶ月に及ぶ。一般に主要変動の33%から66%の値幅の戻りになる。
B短期トレンド(劣後変動)
数時間から1ヶ月以上。
短期変動は中間変動を調整し、中間変動は主要変動を調整する働きがある。

2.マーケット・トレンドは3つの段階から成る
ダウ理論は主要トレンドは3段階で構成されていると主張している。
@蓄積の段階
市場が大きく動く前に、材料に反応した鼻の利く少数の投資家が株を買い集める段階。
A一般参加の段階
買い集めの動きが、市場価格に影響し始め、トレンド・フォロワーズやテクニカルなシグナルに導かれて投資家が参加し始める段階。
B分散の段階
人気化した相場に出遅れた投資家が参入し過熱し始める。この段階で初期に蓄積したトレーダーが高値で売り抜ける。

3.株式市場は全てのニュースを織り込む
市場では、新しい情報がもたらされると直ちに価格に組み込まれる。ニュースが報じられると、この新しい情報に反応して価格が変わる。この点で、ダウ理論は金融工学の効率的市場仮説と同じ見解を示している。

4.市場平均は、相互に確認し合わなければならない
工業平均、運輸業平均などダウ業種別平均指数でピーク・ボトムを認識した場合、どちらか一方だけでは、判断を誤る可能性があるので、必ず両方の指数が同じシグナルを出すのを確認しなければ出動してはいけない。
何故ならば、工業が堅調だとするなら、運輸業の需要も必ず上がるはずである。もし、片方のシグナルだけで留まるなら、シグナルが無いのと同じである。

5.トレンドは出来高でも確認される
ダウは「出来高は価格のトレンドを説明し得る。」「真の市場は出来高によって構築されている」としている。主要トレンドが上昇する場合に出来高も連れて高くなる傾向があり、中期トレンドも同様だとしている。

6.トレンドの終了は別のトレンドの発生によって証明される
トレンドの転換は明らかな兆候があり、次のトレンドが確認されない限りは現在のトレンドが継続するとしている。