エンベロープ
エンベロープは移動平均線を中心に任意の幅で上下に乖離させたものである。
株価は、移動平均線から乖離最大仮定値に達すると移動平均線に回帰する習性があり、乖離・回帰を繰り返しながら連続する。エンベロープの考え方は、この習性を利用し任意の幅で乖離最大を仮定して価格の移動方向の反転を捉えようというものである。
- A.値幅の乖離限界を仮定し売買シグナルに使う場合は、上下のラインに達したら買い・売りといった逆張り戦略、上下のラインを超え再び割り込んだら買い・売りといった順張りの戦略が考えられる。
- B.最大乖離の移動変化を捉えてトレンドの発生を見つけるために使う。
Aの場合は、もみ合いを想定した相場に、Bの場合はトレンドの発生を捉えるために使う。具体的には、Aの使い方をして銘柄を監視していたとする。パラメータの設定は、これまで±10を目途に反転反落を繰り返していたという前提に10に設定する。その株価が、10を超え直近高値を超えるなどテクニカルポイントを超えた場合に順張りで買うなどの戦略が考えられる。
銘柄や、使用目的、使用する時のトレンドなどによってパラメータの設定をチューニングする必要がある。トレンド変化を捉える場合、単独で使用するよりもトレンドライン、高値・安値などのサポート・レジスタンスなど他の指標とあわせて使うなど工夫する。
日経平均の例
期間:26 幅:10で設定。9月の四角は-10のラインで止まって安値になっている。10月にその安値を下回り-10のラインを突破したことで下降トレンド発生と見て順張りの売り。11月は再び-10のラインで止まっている。

下図は、期間:26 幅:20に設定。-20を回復したら買いなどの順張りの戦略。
下の例では最初の買い建ては1.損切り2.つなぎ売り3.買い下がりなどでフォローする。
または、最初の乖離最大値にパラメータを再設定すれば10月後半に安く買うことができると考えられる。
