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EMV

EMV(Ease of Movement Value)

 そのまま訳すと「価値変化の落ち着き」となる。
価格の変化量に対する出来高の比率が、価格の移動性にどの程度影響しているかを示す指標で出来高のモメンタムオシレーターである。
単純な計算式は以下の通りである。尚、中値は高値-安値の意味である。
EMV=(当日中値−前日中値)÷出来高÷当日中値

詳細に計算式を解説する。
EMV(n)=(MPM÷BR)のn期間移動平均
BRはボックス・レイトのことで、BR = 出来高 / 中値である。値幅に対する出来高の比率であり、この値が高いと値動きが重く、この比率が低ければ価格が動き易いことを示す。MPMは前日と当日の中値の変化のことで
MPM = (当日の高値-当日の安値)/2 - (前日の高値-前日の安値)/2=当日中値−前日中値

この指標の読み方は概ね以下の通りである。
EMVの値が大きいとき(BRに対して相対的にMPMが大きいとき)は、価格が動き易い。EMVの値が小さいとき(BRに対して相対的にMPMが小さいとき)は、価格が動き難い。つまり、価格変化量に対して出来高が多すぎれば、価格変化に対する抵抗が大きく働き、反対に価格変化量に対して出来高が少ない、あるいは適正ならば価格は動き易いという考えに基づいている。EMVは期間単位での値が大きく振れやすいために移動平均を採っている。
下図はTOPIXのチャートである。日経平均やTOPIX、INDUなどの指数では出来高変化が安定しているので出来高と価格変化との連関性が高いと言える。しかし、個別銘柄では出来高の散らばりが大きく売買シグナルとして使用するには難がある。
上昇でも下降でも0から大きく乖離して、出来高の最大時点と同期していれば反転する可能性が高いと考えられる。やはり、日経225やTOPIXなどの指数向けの指標と言える。