マルチ・トレーダーのすすめ

株式投資はゼロサムゲームではありません。

ゼロサムゲームとはゲーム理論の用語ですが、一方が勝てば一方が負け、勝ちと負けの和がゼロになると言うことです。解りやすい例を挙げます。参加者2人のゲームで100円づつ資金を出し合います。合計金額は200円。じゃんけんでも何でもいいので勝負します。勝った方が200円を得ます。Aさんが勝ち賞金200円を得ます。Aさんは賞金から100円の資金を引いて100円の儲け。一方Bさんは賞金0円から資金100円を失い100円の損失。Aさんの儲け100円とBさんの損失100円を合計します。絶対値で足してはいけません。儲けで統一します。100円の儲けと−100円の儲けを足すと0になります。これがゼロサムゲームです。3人でも千人でもやり方は同じです。

では、株式投資はと言えば、第一に参加者全員で決済することはあり得ません。
市場に参加するタイミングも引き上げる時もばらばらです。勝敗がつきません。

仮に無理やり勝負して見ましょう。同時間に同銘柄の同価格で同株数売った人と勝った人で比べてみましょう。

仮に100円を100株とします。約定一時間後株価は102円になりました。100円で買っていたAさんは102円で売却し2円の値幅を取れたので200円の儲け、売っていたBさんがここで買い戻せばば200円の損失になります。しかし、実際にはここでBさんが買い戻すとは限りません。Bさんの採りうる戦略は数多くあります。Bさんは約定価格の100円以下になるまで持ち続けることも出来ます。信用売りの期限がありますが、102円の段階でツナギの買いでしのぐこともできますし102円で倍玉の買いをして実質100株ドテン買いをすることも出来ます。Bさんはアービトラージでよく似た銘柄を同じ金額だけ買っていたかも知れません。ゲームの質について述べれば他の参加者を負かせば自分が儲かると言うゲームではないことが判ります。

長期・短期・超短期でも同じです。1TICK狙いのスカルピングでも全く同じです。投資スタイルはその人の好みや拘りに過ぎず、だれもが色んな手法を選択することが出来ます。デイトレードが得意な人でもチャンスと思えば長く持つ為の銘柄を買い仕込むことが出来ますし、「わしは長期投資しかせん!」とおっしゃる方でも朝方買い仕込んだ株が急騰後急落する場面では利食ってしまい結果日計りになるかも知れません。
長期投資と短期投資のどちらかが高等で一方が下等などと言う議論をしたがる人がいますがそんな議論自体は何の意味もありません。
どういう投資スタイルや戦略を選ぶのかは投資家の自由なのですから。
デイトレーダーやスキャルパーも市場の流動性を担っており、リスクをとって市場に参加している貴重な存在です。

チャート理論研究室では投資期間に拘わらず、あらゆるスタイルで普遍的に使えるテクニカル分析の方法を研究しています。
その経験から言えることは、「勝つためにはマルチ・トレーダーになるのが近道である」と言うことです。
そもそも投資家個人で相場をコントロールすることは出来ません。相場は自分のスタイルやタイミングに合わせて動いてくれません。
「株価よ上がれ!」と祈ったところで下がる局面では下がるのです。勝つには、自分から相場に合わせるしか方法はないのです。
自分のスタイルに拘り過ぎることは、数多くのそれ以外の投資機会をむざむざ捨てているのと同じことです。

マルチ・トレーダーとして利益を上げる為には第一段階として教科書的な知識が必要です。
教科書的な知識はコンスタントに利益を出し続けるには必須条件です。
その上で、教科書的な知識を実践でどう使うかが問われます。重要な第二段階があるのです。

テクニカル分析は「知っている」のと「理解している」のとでは雲泥の差があります。
しかし、実際には「知っているつもり」のまま投資を始めた方がほとんどではないでしょうか。

理解を深める為には数多くのチャートを見て読み解く技術を身につけなくてはなりません。
日刊テクニカル・トレードはチャート解説とチャート速報の2段構成になっています。
チャート解説では他のマニュアルには載っていない内容が散りばめられています。
チャート理論研究室が独自に発展させた最新理論が解説されているのもここだけです。

チャート速報はザラ場でアクティブになった銘柄や注目銘柄などのチャートを使って見るべきポイントをお知らせしています。
また日経平均やTOPIXなどの指数や為替などについても速報でお伝えしています。

マルチ・トレーダーへの道は一朝一夕にはいきませんが、努力すれば結果は変えられます。数多くのチャートを見て分析する習慣を身につけてください。


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